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資本主義社会の矛盾の進展と科学的社会主義の党の不在の証明
青山が選挙前に訴えたこと
★青山は、2026年1月18日、このページに「青山の憤怒に駆られた緊急コラム…負けるな「中道」、共産党よ人民革命の助産師になれ‼」というコラムを掲載し、「広範な無党派を包摂することのできる左翼の政治的プラットフォーム(統一戦線組織)」がつくられていない中で、「科学的社会主義の思想の持ち主たちは、現在ある資本主義の矛盾を暴露し、その矛盾の克服のための方策を提起し、資本主義的生産様式の社会を一刻も早く終わらせるために力を尽くさなければなりません」と述べるとともに、「1月23日に予想される衆議院解散の最大の争点は、高市自民党の勝利による政治の大暴走を認めるか否か」にあり、「現在の政治よりも1ミリでも良い政治を作るために」は「自民党の暴走を阻止するうえで一定の役割を果たすであろう「立憲」と「公明」で立ち上げた〝中道改革連合〟」を自民党と対峙する小選挙区で勝利させることが合理的であることを訴えました。
★しかし、「中道」の新鮮さのない執行部の自民党の暴走への危機意識の欠如とそれに基づく曖昧な政策、これらを利用しての「自民党」と「共産党」や「社民党」などによる集中砲火、「国民民主党」の小選挙区での「中道」潰しと思えるような候補者の擁立の仕方、これらによって旧「立憲」の支持層の一部も雲散霧消し、「中道」は自民党の対抗勢力としての地位を失ってしまいました。その結果、「自民」が198から316へ、「中道」が172から49へ、「参政」が2から15へ、「みらい」が0から11へ、「共産」が8から4へ、「れいわ」が8から1へ、そして、「社民」は遂に0議席になるという最悪の選挙結果となってしまいました。
★なお、このような「中道」への逆風の中でも、「中道」と「国民民主党」の票の合計が「自民党」票を上回る選挙区が10、「中道」と「国民民主党」と「共産党」の票の合計が「自民党」票を上回る選挙区が9、「中道」と「共産党」の票の合計が「自民党」票を上回る選挙区が6ありました。
1
経済について
★まずはじめに、国民生活に直結する経済について、問題の所在を明らかにするために、若干時を遡って見てみよう。
☆2016年の米国大統領選挙において、バーニー・サンダース氏(民主党大統領選挙予備選・党員投票候補)はワシントンのジョージタウン大学での演説(2015年11月19日)で「労働者が雇用を失う一方で企業の利潤が拡大するような通商政策を実施したりすべきではない。…中略…私は雇用を海外に移出し、利益を上げるのではなく、米国内で努力し、投資し、成長するような私企業を信じる。」と述べ、大統領選の民主党vs共和党の第一回テレビ討論では、トランプ氏がオハイオ州、ペンシルベニア州等具体的な地域をあげて産業空洞化の深刻さを指摘し、企業が海外に流出し雇用が海外に盗まれていることを述べ、「連邦法人税率を35%から15%に下げ、海外に流出した企業や雇用を取り戻す」と訴えたのに対し、クリントン氏は「最低賃金を引き上げ、インフラや先端技術、再生エネルギーへの投資で一千万人の雇用を創出する」と「再生エネルギーへの投資」を除けばアベノミクス同様の絵に書いた餅の万年政策を述べるだけでした。(*1)
☆4年前のクリントン氏の失敗に学んだ民主党は、2016年の大統領選挙の時から「産業の空洞化」の克服を主張し続けて根強い支持を得てきたバーニー・サンダース氏との激しい予備選を経てバイデン氏が大統領候補となり、「バイ・アメリカン」政策を掲げて国内製造業の復活をめざすことを約束するという、政策転換を行ない、2020年の大統領選挙で勝利します。そして、大統領となったバイデン氏は、上下両院合同会議での施政方針演説(米国2021/04/28)で、「米国雇用計画は、米国を作り上げていくブルーカラーのための青写真だ。ウォール街がこの国をつくったのではない。中産階級がこの国を作った。そして組合が中産階級を作るのだ。」とまで述べます。(*2)
★その頃、日本の安倍さんは、「資本」によって富と雇用が海外に持ち出されたことによって日本経済の地盤沈下が深刻さを増していることを隠し、富と雇用が減り続ける中で「規制緩和」という工夫で経済が復活するかのようなことを吹聴し続けていました。
★その安倍さんが旧統一教会がらみで殺害されてから約二年が経過し、マスメディアへの出演者にも若干の解放感が生まれたのかどうかは分かりませんが、2024年3月28日、BSテレ東の「NIKKEI NEWSプラス9」という番組で、担当キャスターが〝目を白黒させる〟という「BSテレ東」にとって〝放送事故〟のような内容が放送されます。
☆番組には佐々木融氏と長濱利廣氏が出演し、二人は、日本は国内直接投資額がGDP比で北朝鮮以下であることや円の強さがトルコリラ(新興国通貨の中で最弱)よりたった一つだけ上だという円の弱さなどのことを語り、続けて、現在の日本の購買力平価とドル円等の為替相場との間の大きなギャップについて、長濱氏は、本来なら為替相場と購買力平価とのギャップから日本の経済活動が優位に働くことでギャップが埋められていくはずであるが日本は企業の投資姿勢などからなかなか難しいとの趣旨のことを述べ、それを受けた佐々木氏は、日本の現況でのギャップの縮小のされ方について、インフレによって購買力平価が為替相場にさや寄せするという、国民にとって悪夢のような未来の蓋然性を淡々と語ります。
☆この二人の話を聞いたキャスターは、マスメディアのキャスターは、一般的に「資本主義の信奉者であり吹聴者」でなければなりませんから、政府が賃上げを推奨することによって「賃金と物価の好循環」が起きて「ギャップ」が解消されるという万々歳のシナリオを想定していたのに、まさか「BSテレ東」の番組でこんな話しが出るとは思わず、目を白黒させてしまったのだと思われます。(*3)
☆果たして、国民にとっては残念ながら、現在の日本は、二人の言うとおり、インフレによっておおいに苦しめられ続けています。
☆そして、米国「産業の空洞化」の克服に躍起の米国トランプ大統領は、日米安保体制で従属的地位にある日本に対し総額約5500億ドル(約80兆円)の直接投資を約束させ、その結果、日本は約80兆円の富の流出とそれに見合う雇用の米国への移転を余儀なくされ、日本の「産業の空洞化」の克服への道はますます遠のいています。
★米国に比べ一週遅れのラストランナーであることを悟ったのか、高市総理は2026年衆院選の政権公約の重点施策の柱の第一番に「強い経済で、笑顔あふれる暮らしを。」を掲げ、そのいの一番に「17の戦略分野へ集中的に投資する」ことを公約とし、小泉内閣や安倍内閣が「資本」による「産業の空洞化」を糊塗し国民の目をそらすために目眩ましとしてもちいた「構造改革・規制緩和」という魔法の言葉は影を潜め、「産業の空洞化」による経済の衰退を嘆いた長濱利廣氏が高市内閣の経済財政諮問会議の民間議員となります。財界の走狗の自民党が経済再建の正しい方向を示すかのようなポーズを取らざるを得なくなったのです。
☆同時に見逃してならないのは、日本は対米従属の結果、上記のような総額約80兆円の直接投資を約束させられ、自ら日本の「産業の空洞化」を深化させようとしていることです。
★こうした中で、今回の衆院選で議席を伸ばした「参政党」は、衆院選の「政策」で「財政出動を惜しみ日本だけが『失われた30年』として経済が停滞してしまった」ので、「積極財政で安定的な需要を創出し、市場原理による投資と従業員分配の増加をもたらす。」と言い、「従業員分配と技術/設備投資への税制優遇の強化。」を訴え、「従業員分配と技術/設備投資」の不足が「失われた30年」の原因であることを認めています。その代表の神谷氏は、東京駅前での衆院選の第一声で、参政党の「基本方針は反グローバリズム」だと言い、〝グローバリズム〟とはグローバリゼーションのことではなく「多国籍の企業が富を集めること」だともいいます。
★このように、衆院選で議席を躍進させた自民党も参政党も、「企業」に投資を促して「産業の空洞化」による経済の衰退を克服する以外に日本経済再生の道が無いことを、国民に告白します。
☆勿論、「企業」の補助をして投資を促す「政策」によって、なかには成功するものもあるでしょう。しかし、企業は、グローバル化した経済のもとでは、「資本が外国に送られるとすれば、それは、資本が国内では絶対に使えないからではない。それは、資本が外国ではより高い利潤率で使えるからである」(マルクス・エンゲルスの『資本論』第三篇「第一五章」)という資本主義的生産様式の原則に則って、「資本」が支配する経済システム──資本主義的生産様式の社会のこと──が続く限り、〝投資を強制する〟ことなく〝投資を促す〟だけでは富と雇用の海外流出をやめさせることはできず、参政党の言う「グローバリズム」──多国籍の企業が富を集めることという意味こと──による国内「産業の空洞化」を克服することなどできません。
★答えは、二つに一つです。トランプ大統領のように、資本主義を維持して、他国の犠牲の上に自国の繁栄を図ろうとするのか、それとも、「資本」が支配する自由な「企業」に対して社会の公器としての役割を果たさせるために、政府・自民党による総額約80兆円の対米直接投資の約束を解消し、「企業」に投資を促すのではなく、資本主義的生産に圧力を加えて、「企業」に投資を強制して、国内投資をさせて「産業の空洞化」を克服する道を選ぶのか、このいずれかの道しか道はありません。(*4)
★資本主義が続くことによって、経済のグローバル化が進み、資本主義社会の矛盾はここまで進展したのです。だから、今回の衆院選は将来への希望をつなぐ科学的社会主義の思想にとって、絶好の出番、絶好のアピールの機会だったのです。しかし、残念ながら、日本には、そのことを声を大にして叫ぶ、科学的社会主義の党が不在でした。
(*1)詳しくは、ホームページ6A-3-1「第1回大統領候補テレビ討論中継でCNNが伝えたことと、日本のマスコミが報道したこと」を、是非、参照して下さい。
(*2)詳しくは、ホームページ6A-3-7「〝社会主義〟が顔を覗かせたバイデン大統領の施政方針演説…米国の左派への期待のエール」を、是非、参照して下さい。
(*3)詳しくは、ホームページ6A-1-7「3月28日放送のBSテレ東「NIKKEI NEWSプラス9」に思わず大笑い!!」を、是非、参照して下さい。
(*4)詳しくは、ホームページ2-1-8「二一世紀の地球と人類を支える社会と経済の在り方を考える…資本主義的生産様式の社会の限界とその克服への道」を、是非、参照して下さい。
2
情報技術について
★「チームみらい」は、その役割を、「テクノロジーで政治を変え、あなたと一緒に日本の未来をつくることを目指しています。」と定義し、自民党、参政党とともに大躍進しました。
☆そのために、「政策マニフェスト2026」は、冒頭の「私たちのビジョン」で「もちろん、再配分は非常に重要な話ですが、長期の成長戦略が描けていないことは大問題です。成長がなければ再配分の原資は得られません。未来に希望が持てなければ、子どもを産み育てたいという人も増えません。…(中略)…日本が成長するにはテクノロジーと向き合い、今の生活をしっかり支え、未来に大胆に投資することが必要」との考えを示し、「4、産業」では、「日本がこれまで強みを発揮してきた技術力を土台として『稼げる』産業に軸足をシフトし、世界に誇れる日本の産業を生み出すため、AIを中心とした重点分野での産業競争力強化と産業の新陳代謝を図るための官からの支援内容・体制の充実を実現します。…(中略)…重点分野への積極投資、リソースの集中により、新たな産業の育成と今後の経済成長の種をまいていきます。特にテクノロジーを用いた社会課題の解決については、重点的な支援を行い、官民連携による生活の質向上と産業の育成の両立を図ります。」と宣言します。
☆上記の文章をかいつまんで言うと、──長期の成長戦略があれば未来に希望が持て、日本が成長するにはテクノロジーと向き合い、未来に大胆に投資することが必要で、そのために官からの支援内容・体制の充実を実現する──というもので、IT(情報技術)を中心に据えていますが、「1、経済について」の「項」で見てきたのと同様、「産業の空洞化」による経済の停滞を打破するために「企業」に投資を促すもので、「企業」の国内投資こそが日本経済復活の条件であるという資本主義的生産様式の法則に則った正しい目標設定をしていますが、やるかやらないかは「企業」次第というものです。
★「チームみらい」は、投資によって経済を発展させるという、経済についての資本主義的生産様式の法則に則った、正しい、目標設定を行い、IT(情報技術)を使ってスマートな社会を築くという夢のある社会を若者に提示することのよって、衆院選で大躍進するだけでなく、選挙後も支持を拡大しています。
★しかし、「チームみらい」の視野に入っているのは、資本主義的生産様式の社会の中でどのようにIT(情報技術)を活用するかということだけで、ITの真の進歩性について「チームみらい」はいっさい語りません。
☆IT(情報技術)の発展は、益々正確に、益々即時に、益々シームレスな情報の結びつきを実現させますが、資本主義的生産様式の社会は個々バラバラの私的「企業」がシェアを奪い合って成長することによって経済を発展させるという仕組みの社会ですから、IT(情報技術)の発展によって個々の「企業」や「企業集団」の運営をより合理的でより効率的にすることはできます。しかし、資本主義的生産様式の基で利潤の追求を第一に互いにシェアを奪い合って戦い、社会から「自由」な立場を得ている私的「企業」が、なんの社会的な強制もされずに〝社会〟のために情報を共有し合って、社会全体として最も合理的な人的・物的なシステムを形成するために、時には、自らの「企業」が不利益を被ってでも、協力し合うなどということは絶対にあり得ないことです。
★IT(情報技術)の発展は、資本主義的生産様式が社会全体として最も合理的な人的・物的なシステムを形成するうえで桎梏となることを国民に明らかにし、資本主義的生産様式に変わる、〝企業〟が社会的・公的存在となるような、新しい生産様式の社会の実現を未来が求めていることを示す、マルクスのいう、「新たな社会の形成要素」なのです。(*)
☆今後、「チームみらい」のように、資本主義的生産様式のもとでのIT(情報技術)の発展への幻想を振りまくイデオロギーは益々盛んに喧伝されるでしょう。しかし、IT(情報技術)の発展は「新たな社会の形成要素」として、社会主義社会の優位性を明らかにし、社会主義社会を実現することが求められていることを私たちに示しています。だから、今こそ科学的社会主義の思想で「チームみらい」を打ち砕かなければならないのです。
★このように、今回の衆院選は将来への希望をつなぐ科学的社会主義の思想にとって、絶好の出番だったのです。しかし、残念ながら、日本には、そのことを声を大にして叫ぶ、科学的社会主義の党が不在でした。
(*)詳しくは、ホームページ2-1-8「二一世紀の地球と人類を支える社会と経済の在り方を考える…資本主義的生産様式の社会の限界とその克服への道」を、是非、参照して下さい。
共産党よ元気をとりもどせ。
蘇れ!Communist Party。
★現在の「共産党」は科学的社会主義への道から完全に脱落しています。
しかし、1960年代後半から70年代に、公害を〝企業による緩慢な殺人〟と断罪し、革新自治体が全国に燎原の火のように拡がり、〝一人はみんなのために、みんなは一人のために〟という社会主義の理想に燃えて日本共産党に入党した青年たちが、いまや80代~70代となっても、「共産党」を科学的社会主義の党と信じ、歯を食いしばって頑張っています。だから青山は、これらの人たちのために、「共産党」が科学的社会主義の党に蘇ることを心から願ってこのホームページを作っています。
だからこそ、現在の「共産党」に大きな〝喝!〟
喝!その1
国政選挙であるにもかかわらず、
党の「大目標」とその優位性を全く語らず
★「共産党」は、今回の衆院選もこれまで同様、本来、国政選挙において絶対に語らなければならない、科学的社会主義の党として〝一丁目一番地〟の、前項(「今回の衆院選は将来への希望を求める選挙だった」)で述べたような、資本主義的生産様式の下での「資本」の行動とその国民への影響、そして、科学的社会主義の思想が示すその矛盾・困難の克服への道という、科学的社会主義の党にとって欠くことのできないテーマ、科学的社会主義の党の存在意義、を全く語りませんでした。
●国政選挙であるにもかかわらず、科学的社会主義の思想の優位性を明らかにして、「資本」の軛から〝企業〟を解放して国民が主人公の社会主義社会をつくるという党の「大目標」(※)を語らないのですから、もはや、社会主義社会をめざす党ではありません。
※志位議長は、2007年の参院選だったと思うが、「自民党政治を大本から変えるという大目標を背負っている。ただ、今度の選挙でそれを目指すのはちょっと早いですね」(日経:共産党の志位和夫委員長が東京都三鷹市での街頭演説で)といって、「自民党政治を大本から変える」ことについて語ることを封印しました。この姿勢は現在も継続し、「自民党政治を大本から変える」ことについて、黙して語らずの姿勢を貫いています。
このような一貫性の無さは、
今回の衆院選の消費税に関する政策にも表れています。
☆「共産党」は「2026総選挙政策アピール」で「日本共産党は、消費税廃止をめざし、ただちに5%に減税、インボイス廃止を実行します。責任ある財源論を示すこの党をのばすことが、消費減税への確かな道です。」と述べています。
●消費税は、「資本」を大きくし資本家・資産家の財産を増やすために、労働者をギリギリの生活ができるだけの賃金で雇って目いっぱい働かせる仕組みの資本主義社会で、応能原則も富の再配分も無視して国民から搾り取る大衆課税です。だから、「共産党」はその廃止を求めてきたはずです。それなのに「5%の消費税を認める」ということは必要な税として「消費税を認める」ということで、消費税の必要性を国民の前で認めるということです。その結果、「資本」の利益のための「責任ある財源論」の推移によっては、5%が8%にも10%にもなりうるということです。これは、消費税における敗北宣言そのもので、国民に消費税は必要な税だから、5%の消費税を認めようと言うものです。
★レーニンは、「スイス社会民主党内のツィンメルヴァルド左派の任務」(1916年10月末~11月初めに執筆)で「社会民主党は、どんなばあいにも、どんな口実によっても、間接税に同意することはできない」ことを述べ、社会民主主義者は、「高い高い累進税率による単一の連邦税としての財産税と所得税とが緊切に必要なことを、大衆にできるだけひろく宣伝しなければならない。」と言い、社会民主党のなかの多数の日和見主義者がひろめている「あたかも財産税と所得税の革命的に高い税率を宣伝することは『実際的でない』かのようにいうブルジョア的なうそと、社会民主主義者は容赦なくたたかわなければならない。」ことを強調し、その理由を、「なぜなら、第一に、われわれは、金持に「受けいれられる」ものに順応するのではなく、ある程度はほかならぬ社会民主党の改良主義的、日和見主義的性格のために、同党に冷淡な態度をとるか、あるいは不信の目でみている貧民と無産者の広範な大衆に訴えなければならないからである。第二に、ブルジョアジーに譲歩させる唯一の方法は、彼らとの「取引」にあるのでもなければ、彼らの利益または彼らの偏見への「順応」にあるのでもなく、彼らに対抗して、大衆の革命的勢力を準備することにあるからである、そしてわれわれが革命的に高い税率が正当であり、それをかちとるたたかいが必要であることを多くの人々に説得すればするほど、ブルジョアジーは、それだけ早く譲歩に応じるであろうし、またわれわれは、ブルジョアジーの完全な収奪をめざす不屈な闘争のために、たとえ小さな譲歩でも一つのこらず利用するであろう。」と言っています。(全集第23巻 P150~155)
★「産業の空洞化」によって日本国民の多くが将来に希望を持てない状況の中で、国民はラディカルな施策を求めています。それなのに、ラディカルであることが生命線の「共産党」がラディカルさを失い、どこにでもある中途半端な「責任ある財源論」者──レーニンの言う「改良主義的、日和見主義的性格」の党──への転落の道を歩んでいる。こんな調子だから、「共産党」の支持者の一部が「れいわ」に移り、「れいわ」の支持者の一部が「参政党」に移り、「高市早苗」党や「みらい」が大躍進したのです。
喝!その2
全くアピールする力のない政党ポスター
★ラディカルさを失った「共産党」の政党ポスターは最悪です。
☆「ポスター」の持つ意味は、その政党の政策を知ってもらい、新たな支持を得るための重要なツールだということです。だから、「ポスター」は、ラディカルに、ダイレクトに、新鮮に、力強く、見る人に訴えかけるものでなければなりません。
★「共産党」の政党ポスターは、「くらし」「平和」「人権」というテーマを掲げ「国民のためにブレずにはたらく」という実にシンプルで爽やかなものですが、上記の「ポスター」の持つ意味を全く満たしていません。2025年の参院選は、「くらし」、「平和」、「人権」等々について「共産党」が訴えたことが、理解出来なかったのか、正しくないと思われたのか、十分に伝わらなかったために思うような結果を得ることができなかったのです。それなのに、「くらし」「平和」「人権」というテーマだけを掲げて「国民のためにブレずにはたらく」と言われても、「共産党」の正しさを確信している一部の人を除き、2025年の参院選で「共産党」の考えが十分に伝わらなかった人たちにとっては何の意味も持ちません。
●科学的社会主義の党は、訴えたいテーマについて、一つのポスターで、それが無理なら二つ三つの連作のポスターで、その時々の社会・経済情勢を踏まえ、資本主義擁護勢力の主張と切り結んだ、かれらのウイークポイントを突いた、明確な主張を行わなければなりません。
例えば、「くらし」について
☆「共産党」は「2026総選挙政策アピール」で、「くらし」について、国民生活悪化の理由を「自民党の経済政策が財界・大企業の利益優先で、国民の暮らしをないがしろにしてきたためです。」と述べ、相変わらず、国民生活悪化の原因を「自民党の経済政策」に矮小化して「資本」の富と雇用の海外移転から国民の目をそらしています。そして、国民生活悪化の原因を「自民党の経済政策」のせいにするくせに、対米従属のもとで自民党が米国に約束させられた総額約80兆円の直接投資に関して、「2026総選挙政策アピール」では全く触れていません。
このようになるのは、「共産党」が常日ごろ、不破さんの「資本主義発展論」(*1)の立場に立って「賃金が上がれば経済が成長する」と主張している、資本主義的生産様式についての貧しく誤った認識の結果です。なお、このような考の持ち主たちのことを、マルクスは『資本論』で、資本主義的生産様式の本質を見ない「健全で「単純な」(!)常識の騎士たち」と言って批判しています。(*2)
このような誤った認識では、自民党政治のウイークポイントを突いた明確なメッセージなど出すことはできません。
★科学的社会主義の党は、「企業」の富と雇用の海外移転とその円滑化のための手助けをした自民党によって失われた30年が起きたこと、そして、対米従属のもとで、自民党が約束させられた総額約80兆円の対米直接投資によって日本の「産業の空洞化」からの回復の道はますます遠のいてしまうこと、その回復を図るために「自民党」や「参政党」や「みらい」のように〝泥棒に追い銭〟を出すことになりかねないような補助をするのではなく、約80兆円とも約130兆円と言われる大企業がため込んだ──資本主義社会を発展させることに使われない資本主義社会にとっての〝死に金〟である──現預金(*3)を使って日本経済を元気にすることを明確にアピールすべきなのです。
●そのために、上記の内容を簡潔に、そして、具体策を示したポスターをしっかり提示しなければなりません。参考に〈共産党の訴え〉と〈青山の訴えの案〉を併記しますので、読み比べてみて下さい。〈共産党の訴え〉で支持が拡がるのなら、とっくに革命が成就されているでしょう。
〈日本共産党の経済と暮らしの再建策の訴え〉
大株主と大企業応援の政治から、国民の暮らし第一の政治へと転換し、物価高から暮らしを守り、暮らしに安心と希望を届けます。
〈青山の経済と暮らしの再建策の訴え〉
失われた30年は「企業」による富と雇用の海外移転と自民党のその手助けの結果です。
自民党が約束した、「産業の空洞化」を促進させる総額約80兆円の対米直接投資をやめて、
「自民党」の政策のように〝泥棒に追い銭〟を出すような「企業」への補助ではなく、
大企業の約80兆円とも約130兆円と言われる現預金を国内に投資させ、
日本経済と国民に希望と元気を与えます。
どちらが具体的に、今を現しているでしょうか?‼
(*1)マルクスは、「恐慌は、利潤率の低下の法則とは関係がなく、資本主義が循環的に運動してゆく一局面であること、一回ごとに資本主義の危機が深まるわけではなく、恐慌は、前よりも高い所で経済的発展が進む新しい循環の出発点になる」と1865年から思うようになり、資本主義は恐慌を乗り越えて発展し続けるという資本主義観の大転換をしたというデマについての詳しい説明は、ホームページ4-19「☆不破さんは、マルクスが1865年に革命観・資本主義観の大転換をしたという、レーニンも気づかなかった大発見を、21世紀になっておこない、マルクスの経済学をだいなしにしてしまった。」を、是非、参照して下さい。
(*2)「健全で「単純な」(!)常識の騎士たち」についての『資本論』での論述はホームページ「5-2-D」の「12-14 」を参照して下さい。
(*3)財務省の法人企業統計調査によると、金融保険業除く全産業(資本金10億円以上)の2024年度末の現預金残高は約80兆円あり、「ブルームバーグの集計によると、東証株価指数(TOPIX)構成銘柄のうち継続比較できる1215社(金融など除く)の現預金は2025年末で約130兆円と、10年で8割増えた。」(2026/02/25 Bloomberg)とのこと。
例えば、「平和」について
☆「共産党」は「2026総選挙政策アピール」で、「平和」について、まずはじめに、「アメリカ言いなりを続けてよいのでしょうか」と問いかけ、「日米同盟絶対」で、「力の支配」を公言するトランプ政権に一言も批判できない〝アメリカいいなり〟外交から、自主的平和的外交に切り替えます。」と言います。次に、「大軍拡を止める」ために、「軍事費の大幅額に反対し」、「アメリカとともに戦争するための大軍拡に反対し」て「辺野古の米軍新基地建設に反対し」「日米地位協定の抜本改定を求め」ると共に「非核三原則の放棄を許さず、核兵器禁止条約への参加を求め」、「武器輸出全面解禁に反対し」、「「スパイ防止法」に反対し」、「安保法制を廃し」「「安保3文章」を撤回させ」て「憲法9条を守り抜き、改憲策動を許しません。」と言います。続けて、「日中関係」について「言うべきことを言いつつ、両国関係の前向き打開の外交に力つくす」として、台湾問題の「平和的解決を強く求め」、「中国の台湾に対する武力行使や武力による威嚇に反対し」、「日本と米国が軍事的に関与・介入することに反対します。」と述べ、最後に、「「東アジア平和提言」にもとづき、対話と包摂で平和をつくります」として、「対話と包摂で平和をつくる独自の外交に力をそそぎます」と述べて、「平和」についての「項」を結んでいます。
★政府・自民党は中国・台湾、北朝鮮をめぐる戦争の危険性を煽って「大軍拡」を正当化し、軍拡路線を強引に推し進めようとしていますが、「共産党」はこれに対して、「平和」の問題(テーマ)に関して、上記のように、その危険因子として「アメリカ言いなり」、「大軍拡」、「日中関係」を上げるとともに、将来の夢を「東アジア平和提言」で語っています。なお、政府・自民党がマスコミを使って大いに煽っているものに「北朝鮮の弾道ミサイル」がありますが、「共産党」の「政策アピール」にはそれに関する文言はありません。
★科学的社会主義の党が様々な問題(テーマ)を論じる場合、今、その問題で最も焦点となっている事柄は何かを明らかにし、それと関連付けてそのテーマを巡る様々な問題についての処方箋を提示することが求められます。
★高市首相が口を滑らしてしまったように、政府・自民党は日本の安全を守るためという口実で、米国が関わる戦争に集団的自衛権という名の〝手伝い参戦権〟を有効に実行するために「大軍拡」を行なおうとしています。これが日本の「平和」を脅かす差し迫った焦点です。「核兵器」の問題は、日本が被爆体験をした最悪の殺傷兵器の問題であり、「スパイ防止法」の問題は、多くの人を網羅的に監視することによる人権侵害と国民の知る権利の抑制、防諜(スパイ防止)のための諜報(スパイ)であり、これらを一絡げにすると論点が曖昧になってしまいます。
●これらを踏まえて、「平和」についての〈共産党の訴え〉と〈青山の訴えの案〉を併記しますと下記のようになります。
〈日本共産党の平和についての訴え〉
「力の支配」をふりかざすアメリカ言いなりをやめ、外交の力で平和な日本とアジアをつくります。
アメリカとともに戦争するための大軍拡に反対し、辺野古の米軍新基地建設に反対して日米地位協定の抜本改定を求めます。
非核三原則の放棄を許さず、核兵器禁止条約への参加を求め、武器輸出全面解禁に反対し、「スパイ防止法」に反対して安保法制を廃して安保3文章を撤回させます。
憲法9条を守り抜き、改憲策動を許しません。
中国には言うべきことを言いつつ、両国関係の前向き打開の外交に力つくし、台湾問題の平和的解決を強く求め、中国の台湾に対する武力行使や武力による威嚇に反対しするとともに日本と米国が軍事的に関与・介入することに反対します。
「東アジア平和提言」にもとづき、対話と包摂で平和をつくる独自の外交に力をそそぎます。
※このように、「共産党」の訴えは従来の主張がテンコ盛りされていますが、今、国民に問われている(国民を騙そうとしている)論点とかみ合わせて、そこから「平和」の問題を展開するという視点がありません。
〈青山の平和についての訴え〉
米国が起こす戦争に集団的自衛権(手伝い参戦権)のトリックで手伝い参戦して自衛隊員を死なせるな。
〝手伝い参戦〟のための大軍拡と米軍への援助・優遇をやめて、日本の国土と日本国民が作った富は日本に暮らす人たちの幸せのために使おう。*米軍への援助・優遇とは、辺野古の米軍新基地建設や日米地位協定・米軍の空域管理等々のこと。
政府・自民党の〝戦略的敵対関係〟の認識に基づく「韓米日合同空中訓練」の企て等による「北朝鮮」や中国への威圧や台湾の現政権への一方的な肩入れをやめ、朝鮮の問題は朝鮮人民が、中国の問題は中国人民が、という民族自決の原則に則り、近隣諸国との〝戦略的互恵関係〟の構築に務める。
※このように、青山の訴えは、日本が米国の軍事上の従属国であるという現状からくる日本国と日本国民の負担と制約を明らかにし、国民が集団的自衛権(手伝い参戦権)のトリック見破り「日米安保体制」から脱却するための一助とするための訴えです。
●是非、〈共産党の訴え〉と〈青山の訴えの案〉を読み比べてみて下さい。
「喝!その3」に込めた青山の思い
★現在の「共産党」は、これまで見てきたように、資本主義が「発展」していく中で資本主義的生産様式の社会であるが故に克服することのできない困難をしっかり掴み、その解決の道を示すことによって科学的社会主義の思想の優位性を示し、科学的社会主義への共感を労働者階級を中心とする国民に与えるという、科学的社会主義の党にとって最も基本的で最も重要な取り組みがまったくなされていません。
☆これは、不破さんの「多数者革命論」──それは、マルクス・エンゲルス・レーニンが理解していた、人民が社会の主人公になるという〝人民革命〟と違って、議会で「共産党」などの「政党」が多数を占めることによって「多数者革命」が成就されるというエセ「革命論」のこと──によって、労働者階級の歴史的使命も捨て去られ(*)、たたかいの幅とたたかいの陣容が変質し、人民革命の助産師としての自覚を失ってしまったためです。
●そんな現在の「共産党」ですが、「共産党」を科学的社会主義の党と信じ、歯を食いしばって「党」のために頑張っている高齢の共産党員がまだ大勢います。そのような人たちのため、日本の未来のために、日本に科学的社会主義の思想が力強く復活することを願って、〝共産党よ元気をとりもどせ。蘇れ!Communist Party。〟という思いを込めて「喝!その3」を編集いたしました。
(*)どのように「労働者階級の歴史的使命」が捨て去られたのかの詳しい説明は、ホームページ3-1-1「不破さんと志位さんの「共産党100年」史…科学的社会主義の大地に「資本主義発展論」の種を蒔く」及びホームページ3-2-1「「2004年綱領」にみる不破哲三氏の転落の証明」を、是非、お読み下さい。
人民革命の助産師としての自覚とはなにか
★科学的社会主義の党には以下で見ていくような三つの大きな仕事があります。
それは、①社会発展の明確な未来像を示すこと、②その担い手に自らの歴史的使命を自覚させ、そのための準備に取りかからせること、そして、③未来社会への道を最終的に確定させるための政治をめざす運動の方法を示し、その実現に向けて実践すること、の三つです。
★2026年衆院選の結果は、これら〝三つの大きな仕事〟のいずれもが意識的に取り組まれてこなかったこと対する必然的な結果だと思います。そしてこの〝三つの大きな仕事〟の意味・意義を理解出来ないのは、科学的社会主義の党の仕事は〝人民革命の助産師〟として人民に尽くすことだという科学的社会主義の思想を捨て去り、人民革命の助産師としての自覚を欠いてしまったからです。
現在の「共産党」が、新しい生産様式の社会をつくる〝革命〟は人民自身が遂行するものであり、科学的社会主義の党はその〝革命〟がより円滑に遂行されるための〝助産師〟であるということを認識し、〝人民革命の助産師〟として自覚したとき〝人民革命の助産師〟として実践すべき現在の〝三つの大きな仕事〟について、科学的社会主義の党に蘇ることを願って、以下で、簡単に見ていきたいと思います。
①
社会発展の明確な未来像を示す
●科学的社会主義の党が〝人民革命の助産師〟として行うべきことの第一は社会発展の明確な未来像を示すことです。
★資本主義的生産様式の社会が発展する中で、発展すればするほど、資本主義的生産様式の基では絶対に解決することができない課題が、以下のとおり、五つあります。
①資本主義的生産様式の社会は、金持ちが支配する私「企業」が労働者を搾取し、搾取したお金を投資することによって社会を発展させる仕組みの社会ですから、永続的に富が「企業」と金持ちに蓄積され、労働者との貧富の差が拡大再生産され続ける社会です。
②私「企業」は社会的に必要なモノやサービスとは無関係に儲かるビジネスのみに専念しますから、社会的に必要なモノやサービスと資本主義的生産様式の社会が生み出すモノやサービスとの間にギャップが生じます。
③私「企業」は少しでも多く儲けるために、富と雇用を海外に持ち出し、経済のグローバル化を進めて国内「産業の空洞化」をもたらし、「資本」(私「企業」)と国家・国民との対立を生み、拡大させます。
④私的「資本」(「企業」)の自らの利益のみを求める個々バラバラの自由な活動は、「規制」の範囲内でしか自由な活動を制限することができず、シームレスに地球環境全体を守ることができず、望ましい地球環境を創造するうえ私的利益の追求を目的とする私「企業」はその障害物になる。
⑤資本主義的生産様式の基でのIT((情報技術)の発展は個々の私「企業」の円滑な運営に資すことはできても、〝企業〟が自らの利益を求める個々バラバラな自由な活動をする私的「企業」である限り、高度なIT((情報技術)を活かしたスムーズでシームレスな豊かな社会づくりの桎梏となる。
●①~②は資本主義的生産様式が当初から持っている矛盾ですが、③~⑤は現代の資本主義が新たに生み出したり生み出しつつある矛盾です。これらの解決のためには資本主義的生産様式の社会から抜け出す以外にないという社会発展の明確な未来像を示すことが科学的社会主義の党には、なによりも、求められています。
※③~⑤についての詳しい説明は、ホームページ2-1-8「二一世紀の地球と人類を支える社会と経済の在り方を考える…資本主義的生産様式の社会の限界とその克服への道」を、是非、参照して下さい。
②
社会変革の主体へのアドバイス・援助
★科学的社会主義の思想がめざすのは、お金が「資本」として「企業」を支配する社会を国民が民主的に〝企業〟をコントロールして〝企業〟を私的「企業」から社会的〝企業〟に変えることです。そのためには、国民が政治権力を握って法的に「資本」が「企業」を支配する権利を廃止するとともに、実態として国民が〝企業〟をコントロールする力を持たなければなりません。労働者階級が社会変革の主体として〝企業〟経営の主要な役割を果たさなければ、法的に「資本」が「企業」を支配する権利を廃止しても、官僚的な「企業」経営がおこなわれるだけです。
★だから、科学的社会主義の党は、労働者階級が社会変革の主体として〝企業〟経営の主要な役割を果たことができるようになるために、労働者階級が自らの所属する企業と業界の役割を正しく認識し企業を社会の公器として生かせるようような能力を育むことが必要だということを労働者と労働組合に強く訴え、党員はその実践の先頭に立つことが求められています。科学的社会主義の党は、労働者の労働組合への組織化に力を尽くし、労働者階級が社会変革の主体として、社会変革のリーダーになるためのアドバイス・援助を主要な任務として取り組む必要があります。このようなムーブメントの中から、新しい社会をつくる新しい人が生まれてきます。
●〝企業〟が労働者階級を主な担い手とする民主主義の砦とならなければ、「社会主義社会」など「絵に描いた餅」に過ぎません。
③
全人民が力を合わせた人民による政治と社会の実現
★レーニンは「ロシア共産党(ボ)第七回大会」(1918年3月8日)で、マルクス・エンゲルスの〝人民革命〟の思想について「人民革命と名づけたあらゆる革命」と言い、その内容を「わが党の決定の産物でもなく」、「人民大衆が、古いブルジョア共和国の綱領を繰りかえすことによってではなく、彼ら自身のスローガンにより、彼ら自身の奮闘によって、みずからおこなうあらゆる革命」(レーニン全集第27巻P135)と述べていますが、国民が政治権力を握るだけでなく、国民が企業を民主的にコントロールすることが不可欠な新しい生産様式の社会をつくる運動における科学的社会主義の党の役割は、革命の助産師に徹して、〝人民大衆が、彼ら自身のスローガンにより、彼ら自身の奮闘によって、みずからおこなう革命〟を行うために、労働者階級を援助し力を合わせてたたかうことです。
☆しかし、現在の「共産党」は、〝前衛党〟として、市民革命の助産師として、労働者階級を援助し力を合わせてたたかうのはなく、不破さんが発見した「多数者革命」論に則って「共産党」が国会で多数をとるために「共産党後援会」なるものを作って国民に応援してもらうという本末転倒のことをしています。
★「共産党」が科学的社会主義の党であるならば、「共産党後援会」など作らず、〝経済は社会のため、国民のためにある〟という社会を望む人々を結集させる──統一戦線をつくる──ために最大限の努力をすべきであり、そのための──「革新共同の会」というような──組織づくりに力を注ぎ、共産党支持者も、社民党支持者も、れいわ新撰組支持者も、新社会党支持者も、ノンポリ労働者も含め、〝経済は社会のため、国民のためにある〟という社会を望む人々を結集させるために最大限の努力を行ない、この「革新共同の会」の中から各分野に秀でた人たちを国政に送り出す。こういう努力を重ねることこそが科学的社会主義の党に、今、求められています。
★そして、幸いなことに、この「革新共同の会」のパーツの一つになる可能性のある組織が「共産党」の近くにあります。それは、「革新懇」(*1)という組織です。
☆ちょっと古い話ですが、2023年6月24日に行われた「共産党」の第28回党大会第8回中央委員会総会の志位委員長の報告(*2)のなかに「「関西のある保育所支部からの「返事」(*3)では、「保育所の党がなくなる危機を前にして、…略…2年余りの準備会期間を経て、2022年5月に『保育革新懇』を結成しました。連続『保育学習会』にとりくむなかで、結成当時は33名だった会員が現在179名になっています」と書かれていました。」という文章があります。
●たぶん、この支部にも名ばかりの「共産党保育後援会」があったのだろうと思いますが、このように、「革新懇」は「共産党後援会」と異なり国民本位の経済と民主主義と平和を積極的に求めるより広い層の広場となることができます。この「広場」が社民党支持者や、れいわ新撰組支持者や、新社会党支持者や、無党派層の「広場」と融合し、闘う〝陣地〟となったとき、かつて日本共産党が日本の改革のためにその結成を目指していた〝民族民主統一戦線〟と同じ意義をもつ組織となって、〝人民革命〟への道へ踏み出すことができるでしょう。
★道を照らし、国民と一緒に運動し、国民の運動を後押しするはずの〝前衛党〟が、国民を〝後援〟するはずの「共産党」が国民に「後援」してもらう。それも、「共産党」の「後援会」なのに、党員以外の「後援会」員がほとんどいない「後援会」が「後援会」として堂々と立派に活動するという漫画のような世界。このような活動は、は直ちに改めなければなりません。
(*1)「全国革新懇」は下記の「3つの共同目標」を掲げています。
1、日本の経済を国民本位に転換し、暮らしが豊かになる日本をめざします。
2、日本国憲法を生かし、自由と人権、民主主義が発展する日本をめざします。
3、日米安保条約をなくし、非核・非同盟・中立の平和な日本をめざします。
(*2)第28回党大会第8回中央委員会総会の志位委員長の報告についての詳しい説明は、ホームページ3-2-4「第28回大会「八中総」・志位委員長の幹部会報告の誤り」を、是非、参照して下さい。
(*3)「返事」とは、第8回中央委員会総会で各支部に出すことを決めた手紙に対する支部からの「返事」のこと。
正しい方針を持つための組織のありかたについて
●選挙で振るわない状況が続くのは、正しい方針を持っていないからで、正しい方針を持てないのは党としての認識の仕方に欠陥があるからです。
☆志位さんは、8中総(第28回党大会)「報告」の「党の組織のあり方」という「項」で「方針を決めるうえで、徹底した民主的討論をつくしてこそ、党の統一と団結は可能になります」といいます。それでは志位さんの言う「徹底した民主的討論」とは、どのようなものなのか、一緒に見てみましょう。
★現在の「共産党」の基礎単位は「支部」ですが、その支部は、一つ一つがタコ壺型の閉じられた組織になっており、同じ地域の支部どうしがその地域の職場やその地域で起きていることを共有したり、各支部の意見が他の支部へ広く伝わるような仕組みなど全くありません。このような組織のあり方のもとで、「規約」第一七条は「党」中央の方針と異なる意見の表明について、「国際的・全国的な性質の問題については、個々の党組織と党員は、党の全国方針に反する意見を、勝手に発表すること」を禁止しています。
☆このような「支部」のもとで、どのような「徹底した民主的討論」が行なわれているのでしょうか。志位さんの8中総での「報告」によれば、1月の「7中総」から5カ月あまりが経過した時点で、7中総の「手紙」に応えて「返事」を出した支部が半数以下の43.5%、何らかの「討議」のみを行なったのが41.8%、そして、討議さえしてない支部が14.7%もあるとのことで、タコ壺型に閉じられた支部での「討議」すら、全く不十分な状態です。そして、このような支部での「討議」状況を打破するための手など全く打たれていません。
☆このような「討議」の状況に加えて、「規約」第五条には、党員の権利として「党の会議で、党の政策、方針について討論し、提案すること」が明記されていますが、このタコ壺型の閉鎖的な「支部」の中で「党の政策、方針」についての意見を話し合おうとすると、「そんな難しいことは上に聞いてくれ」といわれ討論そのものが成り立たない「支部」さえあります。志位さんは、このような状況を放置しておいて、「徹底した民主的討論」が行なわれている状態であると、本当に、思っているのだろうか。
☆そして、志位さんは、このような支部での「討議」状況を打開して、どのように党員の集団的英知を結集するかに腐心するのではなく、「地方党機関」に「支部への指導・援助」という上から目線の行動のみを求めています。「地方党機関」の大切な役割は、その「地方」の党員の集団的英知によって、その「地方」の政治・経済状況や労働者の状況等の正しい共通理解を深め、国全体の政治・経済状況等の正しい共通認識を得るための交流を促進し、その成果を党全体の活動に反映させることですが、志位さんの「指導」のもと、タコ壺型の閉鎖的な「支部」の限界と相まって、本来、「地方党機関」が果たすべき役割をまったく果たすことができていません。
☆現在の「共産党」には、最後の砦として、「規約」第五条に「中央委員会にいたるどの機関にたいしても、質問し、意見を述べ、回答をもとめること」ができる旨の規定があり、第一五条では、「出された意見や提起されている問題、党員からの訴えなどは、すみやかに処理する。党員と党組織は、党の政策・方針について党内で討論し、意見を党機関に反映する」旨の、立派な、諸規定がありますが、実際に、第五条に基づいて各級機関に党の政策・方針についての提案や意見を述べても、前記の第一五条の規定があるにもかかわらず、それについての回答は、来たことがないのが通例であり、万一回答が来たとしても、それは当事者である党員や支部と関係機関との一対一の対応関係になっており、他の支部の党員など知る由もありません。
●今、必要なのは、たこつぼ型の閉鎖的な「支部」が持つ弊害を打破して、党員一人ひとりが地域の政治情勢や社会と資本の動きを知ることができ、日本全体の政治情勢と社会と資本の動き知るための情報交換の機会と場を制度的に保障し、党中央の考えと異なる意見であっても党中央はその意見を党内で広く明らかにし、「民主的討論」によって「党の認識と方針」を「豊かに発展させる」ためのプラットフォームとしての〝党員のひろば〟を「地方党機関」につくることです。同時に、党中央としては、ホームページの中に党員だけが入れる党員専用の掲示板を設け、党中央と全国の党員どうしの情報と意見の交換の機会となるべき場(党員のひろば)を提供すべきです。そして、このような観点から「地方党機関」の運営を抜本的に改善すべきです。
共産党よ元気をとりもどせ。蘇れ!Communist Party。